まずは、その品種の由来から・・

GUPPYの品種で一番多くの支持を集めていると言っても過言ではないのがこの品種。 ドイツイエロータキシードと言われながら、今になれば名前程の尾黄色さを示さなくなっていますが、この名前、登場当初の色合いから名付けられた名前で、それが今になっても受け継がれているのが現状です。 当時の西ドイツの歯医者さん『ゲルハルト・ゲルリッヒ』・・・ドイツ語だけではなく、外国の人名と言うのは読み方が多種あり、ほかの読み方をされる方では『ジェラート・ジェーリック』などとも伝えられています。 日本に渡来したのが1969年、大阪の (故) 森 伸三を含む4名の方々がドイツへ渡りおみやげに譲っていただいたとの事ではありますが、その数は各人20prづつと言うのですから驚きで、それ程の数を手放したとしても十分な数が氏の処では飼育されて居たと想うと驚きの一言であります。そのような状態で日本に持って帰って来たと言う話を森さんからよく聞かされました。日本に渡来した当時は本当にクリームイエローの綺麗でやわらかそうな尾鰭を持って居り、観る人を虜にしたのは間違いありません。 そうなんです・・ドイツから来た黄色いタキシード・・・「ドイツ産イエロータキシード」 それがこの品種の名前の始まりになりました。
・品種の特徴
その大きくはシミや汚れが一つもない綺麗なSOLIDカラーの尾鰭に在ります。輸入当初の個体からの創造ではありますが、尾鰭の黄色さ、タキシードの黒色、そしてGUPPY本来が持っているエラブタの上部から始まるレッドライン・・・黄色、黒色、赤色・・・これが現すのがドイツの国旗カラーと言われていました。また、タキシードの色もオリジナルの黒色一色だけではなく、現在では多種多様なる交配からの“副産物”なのか?いろいろに呈してくれる色となって居ます。どれがどうか??と言う事もなく、多くは尾鰭の色とのマッチングがいいと想います。
・作出の重要ポイント
輸入された当初の頃は、稚魚を産みにくい・・とか、産まれてもベリースライダーなどの奇形が多く、次世代に繋がる個体を残すのが一苦労とされていました。それを解消するべく関東のbreederさんがシンガポールのパイナップルと呼ばれる、今の言う処のゴールデン体色のイエロータキシードとの交配を行い、産仔数の部分ではその問題は解消されましたが、尾鰭にシミが出る個体や赤味の多く発色する個体が多く採れたのが想い出されます。 また、試行錯誤の結果からかネオンタキシードとの交配から出て来た今風に好まれる白い尾鰭・・・行く末には【白壁】と表現されるほどの白く肉厚の個体が創作される様になり、そのような個体が各地のコンテストでも上位を占めるなど、愛好家たちが新たに興味を示し、注目を集める個体が増え、飼育者からも求められるようになりました。 飼育者個人の好みが在るとしても今の時代では白く肉厚は尾鰭を持つ個体の作出を優先して、メス個体に於いてもオス個体と同じ色表現をする個体を親に用いる事が不可欠と言う事になります。
・よくある問題点とその解決法
今回のテーマとなって居りますドイツイエロータキシードだけではなく、長きに渡り累代を重ねていると体格が細くなって来たリ、産まれてくる稚魚の数が少なくなってしまったり、また、産まれてきた稚魚の発育速度が遅くなってきたりする事が在ります。多くの方は「血が濃くなった・・」とか「劣化してしまった」との勝手な判断で決めつける方が多く居られます。実際の処GUPPYの累代交配で、体格の劣化や、繁殖に弊害を呈するのは私の経験からするとF14・・・一年で3世代とするとゆうに4年間の累代以降と言う事となります。実際の処、それだけの根気を持っている飼育者さんは少なく多くの場合他の原因に在ると想われます。ドイツイエロータキシードの場合、体格が細くなってきた場合・・・オス個体が綺麗な気に個体であれば今までの系統とは全く違った系統の同じ品種のメス個体を当てる必要が出て来ます。飼育水槽の本数が少なく、いくつものラインを維持出来かねる方にはメス個体を異血系統のドイツイエローのメス個体を交配する方法が在ります。ノーマル体色で異血のメスが手元にない場合には。Y体色違い・・メラニン色素の少ない個体・・フェオメラニンやユーメラニンを持った色素個体、出来ればゴールデン体色や、タイガー体色などメラニン色素の少ない個体を掛け合わせると体格の改善が出来ると昔から言われています。
・今後に向けての展望
最終のテーマからは少し横道にそれるコメントになってしまうのではありますが、facebookやユーチューブで海外の綺麗なドイツイエロータキシードの飼育水槽をよく観ます。ゴージャスな個体が乱舞する綺麗な飼育水槽は確かに素晴らしく見応えのする場面の一つと言えます。しかし、確かに素晴らしく出来上がった個体に於いてのどれもが金太郎飴状態で個体の差異がほとんどありません。それはそれで素晴らしく、よく管理されている状態で素晴らしいとは想うものの、販売目的での飼育育成であればそれで完ぺきに近い状態と言えるのではありますが、私たちの本来の目的であります“勝てる個体”の存在ではない事がしばらく注視して居れば解るようになります。ではその様な状態では何が欠けているのか???私の想うのには個性の尊重が欠けて居り、そのすべての個体が『親魚からのコピー』に過ぎないと言えます。本題に戻りますと これからの将来に向けてのドイツイエロータキシードに於いては、白く豊かな綺麗で大きく開いた尾鰭は言うまでもなく、今現在の注目度の多くは大きく開いた豊かな背鰭が大きな注目ポイントであると言えます。 幸い今の日本の在来種は、永きに渡り飼い込むことによりそれなりのコンテストサイズを得る事の出来る系統が多く、育成面での注意ポイントは飼料の栄養価とバランス、そして、それに伴う飼育水の管理に在ると言えます。この面をクリアできれば、誰もがコンテストクラスの個体を得る事は不可でないと言え、一層の個性を兼ね備えた素晴らしい個体の創作が可能と言えます。もう一つあえて課題を挙げるとするなれば、現状に満足することのなく、多種多様な場所へ足を運び 多くのドイツイエロータキシードを目の当たりにし、常にタユマナイ探究心を持つ中での日々の飼育に励む・・・それが不可欠で工場への道のりと言えるのではないでしょうか
by Hajiri